2022
12月1日 12:00JST
YouTubeにて
世界同時ライブ収録配信
「⾳楽を美しい、楽しいと感じる気持ちには、⾔葉も国境も⽂化も年齢も性別も関係ない」、
それは50年以上に渡り、東京、松本はもちろんのこと、ウィーン、ベルリン、パリ、ミラノ、
ロンドン、トロント、シカゴ、ボストンやニューヨークなど世界の第一線で活躍してきた指揮者、
⼩澤征爾の信念である。
JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、国境や⼈種を超えた「最先端科学技術の追求とその統合」を
目指し、ISSで「様々な国の宇宙⾶⾏⼠が協調しながら、命懸けの挑戦」を続けている。
世界中に広がった新型コロナウイルスの猛威、欧州で起きている戦争による混乱や苦しみや悲しみー
困難な時代に直⾯する私たちは、今こそ、分断ではなく、
同じ「地球⼈」として助け合い、協⼒しあう時である。
小澤征爾がサイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)を4年ぶりに指揮する。
国際宇宙ステーション(ISS)の若田光一宇宙飛行士に向けて生で
ベートーヴェンの「エグモント序曲」を届ける。
史上初めてオーケストラの演奏が、宇宙にひびく。
そして、地球にいる私たちがひとつになる。
⾳楽は⾔葉も国境も⼈種も大気圏も超え、
⼈と⼈の⼼を直接つなぐことができる。
地球にいる私たちは皆同じ⽣き物であり、⼀つである。
One Earth Missionとは、このメッセージを伝えるべく、JAXAの協力のもと、
⼩澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)のひかりとなる音を、
ISS “きぼう”に届けるプロジェクトである。
日本の有人宇宙活動史において、毛利衛宇宙飛行士による宇宙初飛行から
JAXAとしての30周年を迎える2022年、
サイトウ・キネン・オーケストラの本拠地であるセイジ・オザワ 松本フェスティバルも
また今年、開幕30周年を迎えている。
87歳の小澤征爾と最も深い部分でピュアに強くつながり、
小澤の音楽的な家族とも言えるSKOとが奏でる音楽が、
性別や年齢、人種や国境ーありとあらゆる垣根を超えて、人と人のこころをつないでゆく。
その音楽は宇宙にいる若田光一宇宙飛行士へも届き、地球規模で、
私たちはみんな一つの星に住む同志なんだと感じ合える——One Earth Mission.
©JAXA/NASA
©JAXA/NASA/Bill Stafford
JAXA宇宙飛行士が、初めて宇宙飛行をしてから30年。この30年の間に、日本のみならず、世界の宇宙活動は飛躍的に進歩しました。私が今滞在している国際宇宙ステーションも10年ほど前に完成した後、様々な実験が行われ、定常的に世界各国の宇宙飛行士が滞在しています。私もこれで、ふるさと地球を外から見つめる5度目の宇宙滞在となりました。
幸運にも、史上初となる地上からのオーケストラ演奏をライブで、ここ、国際宇宙ステーションで聴かせてもらえることになりました。私は「和の心」を大切にしておりますが、今回のJAXAとサイトウ・キネン・オーケストラとの共同企画は「科学技術と音楽はあらゆる垣根を超え人類に幸せをもたらす」を体現し、世界を一つにまとめてくれる力がある、と感じています。
困難なことが多い時代に生きる我々に、今回の企画は勇気と希望を与えてくれると信じています。⾳楽は⾔葉も国境も⼈種も大気圏をも超えて、⼈と⼈の⼼をつなぐ力を持っています。その「和(ハーモニー)」を感じる時間を共有できることに、感謝しております。現在我々が、そして未来の子ども達が住む、私達の美しい星、地球。そして、地球を包み込む宇宙の平和を願って。
KOICHI WAKATA
若田光一
宇宙航空研究開発機構
特別参与・宇宙飛行士
JAXAさんとこんなにすごい企画を実現できることになって、とても嬉しいです。
音楽の家族みたいなSKOのみんなと、音楽をできることーーぼくにとって言葉にできないぐらい、嬉しいです。そして、ぼくらの演奏を宇宙へ届けられるなんて...驚きます。いまは宇宙にいる若田さんと、また会えることもとても楽しみです...宇宙で、音楽はどんなふうに聴こえるのだろう。
地球ではコロナの感染症や戦争で、たくさんの大人たち、子どもたちが苦しみ、悲しんでいます。
音楽は、言葉も国も宗教も政治も超えて、人と人のこころをつなげることができるーー音楽を通して、僕らは同じ星に住む、同じ人間であることを感じて、みんなでひとつになれることを願っています。
12月1日には、JAXAさんとぼくらの音楽を世界中に届けられるということです。
その時間を、みなさんと分かち合えたら、うれしいです。
©大窪道治
SEIJI OZAWA
小澤征爾
©Takeshi Yamada
SAITO KINEN ORCHESTRA
サイトウ・キネン・オーケストラ
1984年9月、偉大な教育者であった齋藤秀雄氏の没後10年に、彼の教え子であった指揮者小澤征爾の発案により、秋山和慶ら門下生100余名が、メモリアルコンサートを開催した。サイトウ・キネン・オーケストラ(SKO)はこれが基礎となって生まれたオーケストラである。
1987年に第1回、1989年には第2回ヨーロッパ・ツアーが行われ、ウィーンやベルリンなどの音楽の都で「ウィーン・フィルやベルリン・フィルに並ぶ音を出す、小澤とともにやって来た驚異的なオーケストラ」と絶賛された。1990年に小澤征爾の指揮によってザルツブルク・フェスティバルを始めとするヨーロッパ各地のフェスティバルに招かれ、1991年 ロンドン、デュッセルドルフ、アムステルダム、ニューヨークの世界ツアーを実施。1992年に長野県松本市をSKOの本拠地とし「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」(旧サイトウ・キネン・フェスティバル松本)が開幕。以降、毎年世界から注目されるオペラ公演やコンサート公演を開催している。
SKOのメンバーは、ヨーロッパ、アメリカ、日本のメジャーオーケストラの主要メンバー、ソリスト、室内楽演奏者、教育者として世界中で活躍しており、国際的なコンクールの入賞者も多い。それぞれの音楽家が個性豊かな音楽性を持ちながらも、SKO への参加を通じ、オザワ・スピリットとも言える音楽に対する姿勢、精神が培われ、まるで一つの生き物のようになる。その類稀なる特色は次世代の若手音楽家たちにも受け継がれ、このオーケストラは世界で際立った存在感を示している。
SKO は今まで数多くのレコーディングを発表しており、2016年には第58回グラミー賞最優秀オペラ録音賞(小澤征爾指揮/ラヴェル「子どもと魔法」他)を受賞した。
FRIEND SUPPORTERS – MESSAGES
「奇跡の夜」
奇跡のような体験だった。11月23日の夜、松本のホールの2階席の片隅でぼくは小澤征爾指揮、SKOの演奏による「エグモント序曲」を聞いた。聞いたというより、美しい芸術が無人のホールいっぱいに満ち溢れるのを体験した、というべきかもしれない。久々に小澤さんの指揮を受ける演奏家たちの感動はいかばかりだったか、多分涙ぐみながらの演奏だっただろう。ぼくは音楽については門外漢だが、音楽史上でも屈指の「エグモント序曲」だったに違いない。
小澤さん有難う、どうかいつまでもお元気で。満州出身という同じルーツを持ち、しかも二つか三つ年上の ぼくからの心からのエールです。
YOJI YAMADA
山田洋次
映画監督
2022年の最後に、小澤先生の宇宙に向けて音楽をするお姿を拝見できたこと、幸せでした。
指揮者小澤征爾の細胞の全てから『気』が発せられ、オーケストラの皆さんが動き出す瞬間は、一気に宇宙空間まで瞬間移動する快感でした。
たくさんの問題を抱えた地球ですが、何とか一つになって、美しい笑顔に溢れた世界になって欲しいと改めて思いました。
KOJI YAKUSHO
役所広司
俳優
みなさんの地球に対する思いがとても伝わってきました。
今回の演奏は、小澤征爾さんの今までの功績、そしてサイトウ・キネン・オーケストラとの信頼関係があってこそのものだったように思います。とても、愛を感じるものでした。
その愛の結晶が地球で奏でられ、宇宙に届く・・・そしてそれをまた地球で見ることができる。
その愛の循環を可視化することが大切だったのかもしれません。
MAYU TSURUTA
鶴田真由
女優
小澤先生がエグモントを振られるお姿とそのお顔を拝見して涙が止まりませんでした。
これこそが音楽だ!と。僕がずっと追いかけている音楽の完成形を目の当たりにして言葉がありません。
SKOの演奏を拝見した時、これこそ僕がずっと追いかけている真のオーケストラの姿であり、ジャンルを超えた全ての音楽家のあるべき姿だ、と胸の中が幸せのエネルギーでいっぱいになり息が苦しくなるほどでした。
それはとてもシンプルだけどとても難しい「聴くこと」。百戦錬磨の一流の音楽家だから聴こえてくる小澤先生の心の中になっている音楽、それをコンマスの豊嶋さんをはじめ、それぞれのオーケーストラのメンバーが必死になって聞いている。目に見えている小澤先生の手や指の動きを超えて、小澤先生の表情とその目の遥か奥の方で先生に聴こえている音楽をなんとか聞き取ってそれぞれがその音を奏でる。そしてそんな強者たちに、そうしたいと心から思わせる小澤征爾というこの世に存在する至高の音楽家。
MAKOTO OZONE
小曽根真
ジャズピアニスト
©JAXA/NASA
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主催|
サイトウ・キネン・オーケストラ財団
共催|
協力|
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